<民主党>新年金制度案 「格差縮小」鮮明に打ち出す
毎日新聞 9月6日(木)21時51分配信
民主党は6日、同党の新年金制度案の所要財源に関し、消費税率を10%にアップした後、2075年度にはさらに最大6.2%の増税が必要になるとした新試算を公表した。2月の試算に比べて低所得層への支給を手厚くし、「格差縮小」を鮮明にしている。ただ、この時期の公表には衆院選をにらみ「マニフェスト違反」との批判を避ける狙いもうかがえる。中高所得層の年金を削って低所得層に回すという「民主党らしさ」を意識した設計が、広く支持される保証もない。
実際、民主党案の実現には多くの壁がある。まずは自民、公明両党の反対だ。ねじれ国会が続く以上、同案が日の目を見る見通しは立たない。今回は2月の試算で示していた「最大7.1%」の増税幅こそ、出生率を高めに見積もることで6.2%に抑えている。それでも社会保障費全体が切迫している中、年金だけのための大幅増税には批判もある。
また試算は毎年の経済前提を「賃金上昇率2.5%、運用利回り4.1%」としている。これは現行制度と同じ前提だ。野党時代、民主党は「制度破綻を隠すために高く見積もっている」と酷評してきただけに、ご都合主義の側面もうかがえる。
今回明らかになった民主党案の最大の特徴は、現行制度では全員に等しく投入している税を低所得者に集中させることだ。ただ、それも賛否両論がわき起こることが避けられない。
最低保障年金の支給範囲について、試算では2月と同様四つの案を示したが、2月と同内容の(1)案を除き、(2)~(4)案では対象を広げた。
前回は生涯平均年収がゼロでないと満額を受給できなかったのに対し、今回は「110万円まで」や「60万円まで」の人も満額とする形に変えた。全受給者とも今の国民年金(満額月約6万5000円)だけの人より支給額が高くなるほか、同年金加入者の6割は保険料が現行(月約1万5000円)より安くなるという。
ただ、低所得層に手厚くした分、(2)~(4)案の増税幅は2月の「4.9~2.3%」から「5.1~3.5%」へと膨らむ。にもかかわらず、中高所得層の年金額は現行制度より少なくなる。(1)案で生涯平均年収が四百数十万円超、(2)~(4)案では300万~150万円程度を超すと、今より減額される計算だ。
6日、民主党案を公表した同党作業チームの大塚耕平元副厚生労働相は「(増税や中高所得層の減額は)デメリットでなく、政策の方向性だ」と強調した。しかし、一部中高所得層からの強い反発は必至だ。【鈴木直】
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